発電電圧世界一 300V発電-帯電緩和-帯電観測について説明しています。
人工衛星は現在多機能化・高性能化が進み、それに伴う大電力が必要とされています。
電力の大きさは電圧の2乗に比例している為、大電力を作り出すには電圧を高くしなければなりません。
また、低軌道では高電圧化すると放電が起きてしまう可能性が高くなります。したがっていかに放電・帯電を抑えながら高電圧で発電するかが重要になってきます。
このミッションは弐号のメインミッションでもあり、皆が注目する分野でもあります。
図1 300V発電に使用する太陽電池
京セミ株式会社製:http://www.kyosemi.co.jp/sphelar/
また衛星が極域(北極&南極の上空)を通る時に起こす帯電をモニタリングすることを目的に図2,3のTrek(表面電位計)で計測します。
宇宙空間では衛星の周辺プラズマや極域を通過する際に高いエネルギーをもった粒子との相互作用によって衛星が帯電することが知られています。
また、その帯電の仕方も衛星表面の材料などによって異なります。このように部位によって帯電の仕方が異なると電位差ができて放電が起こりやすくなり、放電による衛星の故障にもつながりかねません。
そこでどれくらい帯電しているのかいったデータを集めることは対策を考える上でも非常に重要になってきます。
図2, Trekのプローブ
図3,Trek搭載位置
太陽電池が帯電すると放電がおこりやすくなってしまうので、その帯電を緩和する為に弐号で使用されるのが、九州工業大学で研究開発中の帯電防止用素子(図4)になります。
図4, 帯電防止用素子(ELF素子)